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ダイヤモンドを合成できる時代

皆さん、こんにちは。特に暑かった今年の夏も、やっと峠を越えたようで、少しづつ涼しくなってきました。関西に上陸した大型台風といい、北海道の大きな地震といい、各地で大変な時を過ごされている方々に心よりお見舞い申し上げます。

 

さて今回は、宝石の王様・ダイヤモンドのお話です。
数ヶ月前、あるニュースが報じられ、貴金属業界に衝撃が走りました。それは、かの世界最大のダイヤモンド供給会社であるデビアス社が、子会社を通じて「合成ダイヤモンド」を取り扱うと発表したのです。地球内部で、とてつもなく長い時間をかけて生み出される天然ダイヤモンドに対し、合成ダイヤモンド(人工ダイヤモンドとも言われます)は、人間が作った機械(ラボ)の中で合成され、物質的な組成(炭素の結晶)は同じと言えます。1950年代に成功した合成ダイヤモンドの生産は、これまで主に工業用途(アスファルトなどを切るような工具)に使用されてきましたが、最近の技術の進歩により、宝飾品に耐えうる(つまり透明度の高い綺麗な)品質のものも作れるようになったのです。

 

天然ダイヤモンドの世界的なシェアを握るデビアス社が、なぜ今後合成ダイヤモンドを取り扱うのでしょう? これは推測の域をでませんが、デビアス社の方針の転換があります。つまり、これまでは合成ダイヤモンドを無視してきたダビアス社が、合成ダイヤモンドが今後ある一定程度市場に受け入れられるのは止むを得ないと判断し、両方扱うことにより、そのどちらもの市場価格をコントロールしようとしているのかもしれません。

 

ダイヤモンドの希少性は、その大自然が生み出す壮大なドラマにある筈ですが、今後それを持たない合成ダイヤモンドが市場に受け入れられるのか? また、どうやって天然と合成の区別をしていくのか?(見た目には区別は困難です) 大きな関心をもって私たちも状況を見守っています。

 

三枝幹弥

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